うみうしくらぶの会員はうみうし通信の定期購読者で、「磯の生物勉強会」や「見学会」に参加される方々の集まりです。昨年度(1998年度)の会員数は、個人会員は427名、法人会員は36社となり、前年にくらべてそれぞれ72名増、1社減となりました。また数社からご寄付をいただきました。ありがとうございました。
うみうしくらぶの昨年度の決算を、会則によりご報告しますと、下記(省略:編集注)の通りです。会員の皆様には、ご了承たまわりますようお願い申し上げます。
ところで、うみうしくらぶの会員なら、ぜひ行ってみたくなるような観察会「ウミウシを探そう」と講座「ウミウシを調べよう」が、新しくオープンしたばかりの千葉県立中央博物館分館海の博物館で開かれるのを知り、早速ハガキで申し込んだところ、 抽選に当たって参加することができました。
海の博物館は、外房勝浦から南西へ約4km、JR外房線鵜原駅から徒歩15分のところ、水中展望塔のある勝浦海中公園に隣接しています。5月の最終土曜日の午前10時30分に博物館に集合して、研究員の立川浩之さんのご指導で観察会は開始されました。参加者は若い女性や年輩の方を含めて20名。10時12分が干潮のピークで、早くしないと潮が満ちはじめます。私はあせり気味で集団の前へ前へと進み、真剣に探しましたが、ウミウシはなかなか見つかりません。立川さんや係の方に「ここにサンシキウミウシがいますよ。」とか「ヤマトウミウシがいますよ。」とか教えてもらうばかり。
帰る頃になってようやくクロシタナシウミウシを見つけた時は非常に嬉しかったので、絹のような背中を撫でてあげました。
午後からの講座では、スライドを見せていただきながらウミウシとはどんな動物かの講義です。分類とか、体の構造、生態などを勉強して、次には実体顕微鏡を使って磯採集したウミウシと、この日のために予め水槽に飼われていたウミウシを20種くらい観察しました。
メリべウミウシを見ようとした時です.なんと!小さなシャーレの中で、2匹のメリベは右手と右手をつなぐようにして交尾しているではありませんか。種の保存本能の何と強いことかと思いました。
また、小湊の千葉大学研究センターの平野義明先生が、Zoological scienceにヨツスジミノウミウシとは別種であると発表されたフタスジミノウミウシを貸してくださったとかで、その実物を観察できたのは大変幸運でした。
そのようにウミウシの小さな動きを見ていると、あっという間に終了の時間が来てしまいました。観察会も講座も良く準備されていて、参加者もきっと満足したことでしょう。私たちの勉強会もこうありたいものだと思いました。立川さんと係の方々、ありがとうございました。
「ウミウシを探そう」 観察地:千葉県勝浦 撮影日:1999. 5.29
ミスガイ | ブドウガイ | アマクサアメフラシ |
クロヘリアメフラシ | ホウズキフシエラガイ | ビワガタナメク |
クロモウミウシ | ウミフクロウ | サラサウミウシ |
オカダウミウシ | (指の上=実際はこんなに小さい) | キヌハダウミウシ |
シロウミウシ | コモンウミウシ | サンシキウミウシ |
アオウミウシ | ヤマトウミウシ | (海中のヤマトウミウシ) |
ユウゼンウミウシ | ネズミウミウシ | マダラウミウシ |
クロシタナシウミウシ | ダイダイウミウシ | メリベウミウシ |
オトメウミウシ | ガーベラミノウミウシ | ムカデミノウミウシ |
フタスジミノウミウシ | (頭部拡大) | ヒカリウミウシ |